令和5年度の宅地建物取引士資格試験、私は39点/50点という成績でなんとか合格することができました。今回は、不動産とはまったく無縁の環境から勉強をスタートし、独学で試験に臨んだ私の勉強法やスケジュールについて、詳しくお話ししたいと思います。

私自身、不動産業界とはまったく関係のない職場で働いています。普段の業務は主に営業職ですが、法務や不動産契約業務といったものにも触れる機会はなく、宅建試験に必要とされるような法律知識や業界知識は、ゼロと言ってよい状態でした。そんな私がなぜ宅建に挑戦しようと思ったのか――それは、将来的に自分のキャリアを広げていく中で「資格」が持つ意味の大きさを感じていたからです。

勉強開始は7月。いきなり独学でスタート

2025年版 らくらく宅建塾 [基本テキスト] 

勉強を開始したのは7月の初旬。試験日は10月の中旬ですから、実質3か月ちょっとの勉強期間です。当初は、独学で本当に大丈夫だろうかという不安もありましたが、通学や通信講座に時間や費用をかける余裕はなかったため、自分でなんとかやりきるしかないという覚悟を決めました。

使ったテキストは、宅建受験者の間でも定評のある『らくらく宅建塾』(宅建学院著)のみです。選んだ理由は、書店で手に取った際に「とにかく読みやすそう」だったこと。難しい法律用語をできるだけかみ砕いて説明してくれており、まったくの初学者でも読み進めやすい構成になっています。

さらに、テキストと並行して活用したのが、YouTubeの「棚田行政書士の不動産大学」です。このチャンネルは、宅建試験に特化した内容を扱っており、過去問解説や頻出ポイントの整理など、独学者にとって非常に心強い存在でした。通勤中や家事をしながらでも音声で聞けるため、スキマ時間を有効活用するのにも非常に役立ちました。

平日も土日も勉強は2〜3時間程度


勉強時間は、1日2〜3時間程度。仕事から帰宅した後の時間を活用し、できるだけ毎日机に向かうようにしました。最初の1か月間は、「まず全体像をつかむ」ことを意識して、テキストを1回通読。その後は、分野ごとに過去問演習と復習を繰り返すスタイルに切り替えました

土日などの休日は、可能な限り2〜3時間程度を確保して、苦手分野の克服に取り組みました。特に宅建業法や法令上の制限のように、数字や用語が混乱しやすい分野は、YouTube解説を見ながら「なぜその答えになるのか」を自分の言葉で説明できるように心がけました。

なお、模試は市販のものを1回だけ試しました。結果は34点と微妙なライン。でも、その時に「このままでは危ない」と気づけたことが、ラストスパートのきっかけになりました。

モチベーション維持の工夫

独学の最大の壁は、やはりモチベーションの維持です。とくに仕事が忙しかった日や、学習が停滞して思うように進まない時などは、「今日はもう休もうかな」と思うことも何度もありました。

そんな時に支えになったのが、YouTubeでの合格者の体験談や、SNSでの受験生の投稿でした。「こんな風に頑張っている人がいるんだ」と思うと、不思議と自分もやる気が出てきました。また、試験当日にベストコンディションで挑めるよう、睡眠時間はしっかり確保し、健康管理にも気を配るようにしました。

試験当日〜自己採点の緊張

そして迎えた試験当日。緊張で前日はあまり眠れなかったものの、朝はしっかり食事をとり、時間に余裕を持って会場入りしました。

試験問題に関しては、ある程度予想していた通りの出題もあれば、初見のように感じるひねりのある問題もありました。ただ、落ち着いて問題文を丁寧に読み解いていけば、ある程度の手ごたえは感じられました。

試験終了後すぐに自己採点をしたところ、結果は39点。ボーダーラインが毎年変動する試験なので、発表までは不安な日々が続きましたが、最終的には無事に「合格通知」を受け取ることができました。

宅建は簡単ではないが「誰でも頑張れば取れる」資格

宅建試験は、決して「簡単に取れる資格」ではありません。範囲も広く、暗記だけでは通用しない知識も多く含まれています。しかし、しっかりと戦略を立てて、日々の学習を積み重ねていけば、社会人でも、未経験でも、十分に合格可能な試験だと感じました。

私のように、不動産業界にまったく関係がなくても、意志をもって取り組めば結果はついてくると思います。むしろ、業務知識がない分、純粋に試験に特化した勉強ができたことが、かえって有利に働いた部分もあったのかもしれません。

今、宅建試験への挑戦を考えている方、あるいは現在勉強中で不安を感じている方がいれば、ぜひこの体験記が参考になれば幸いです。最後まで諦めずに、自分のペースで頑張ってください。